地域の環境の改善、古びたコミュニティの機能刷新、行政による都市再開発による公共住宅提供のため、同時に建成円環の再開発や市場の改築などを検討し、大同区の都市再生を加速させています。
蘭州- 斯文里の都市再開発
住民の生活環境を改善
蘭州- 斯文里整備住宅は1960 ~ 1970 年に地域の公共建築、公共施設を建設した際、違法建築と一部の合法建築の住民の移転用に建築した現代的でこじんまりした住宅です。この住宅はすでに築50 年を超え、この地域の公的環境や住居スペースの老朽化が日増しに深刻化しています。これまでずっと建て直しができなかったのは、地域住民に社会的弱者や高齢者が多く、再開発期間の仮住まい先やケアが不足していたためです。そこで台北市は中継住宅を建設、「移転してからの建て直し」という都市再開発の形をとることにしました。これにより地域住民が再建期間中に一時、中継住宅に入居することで、生活の利便性向上と同時に、地域ネットワークの保持、すばやい都市再開発の推進が可能になるのです。
場所選定の原則:
1. 交通の便がよく、近くにMRT の駅があれば最高
2. 公有地を優先
3. 地理的条件がよく、サービスの範囲が広い
4. 同時に公共サービス施設の提供が可能
地元での移転先の確保、また交通の便と公有地の有効活用から総合的に評価した結果、同じ大同区でMRT 円山駅に近い明倫小学校跡地がこのプロジェクトに最適な中継地ということになりました。今後、明倫小学校中継住宅は、再開発住宅改築の際の移転先になると同時に、地域向けの公共サービス提供の場「明倫創造力学園」とすることを企画。これにはショッピングエリア、託児所、オープンスペース、カルチャーセンター、視聴覚室、図書館など公共サービス機能を含んだ公共スペースを設置する予定です。
また今後、明倫小学校跡地と大龍街75号市有宿舎にコミュニティ・プランナーが常駐するワークショップをそれぞれ設置、官民コミュニケーションの場とし、住民の都市再開発参画を手助けします。同時に、住宅ローンの条件、賃貸住宅、コミュニティ・マネージャー、青年起業の申請、高齢者介護など地方行政の各部門が法令規定を説明し、まちづくりをお手伝いしていきます。
国順景星里で都市再生のパワー育成
都市の新たな景色を創造
国順里と景星里は大同区の北に位置し、日本統治時代には「大橋町」と呼ばれた、大龍峒と大稲埕の間の地域です。この地域の「迪化街2 段」という通りは大龍峒と大稲埕を結ぶ要衝として歴史的に発展し、台北の西城の華やかな時代を経てきました。100 年もの歴史ある入り組んだ通りや平屋造りの瓦屋根の家屋が特色で、台北の昔や大橋町の歴史的な姿を見せてくれます。
ですが、土地の所有権が細かくて複雑で、国順里と景星里は台北市でもいまだに都市計画で開発されていない地域です。さらにこの地域には公園など緑地があまりありません。これは土地徴収が難しく公園設置が難しいためで、やはり公共施設も不足しています。今後、台北市は環河北路の淡水河河川敷の上に、地域色を持った立体緑化構想による緑のインフラ「淡水河跨堤公園」(スカイパーク)を建設し、台北の新たなランドマークとする予定です。
この公園設置により、大同区のエコ交通ネットワークと河岸の景観を連結させ、堤防で市街地と河岸が区切られてしまうのを解消し、市街地内の歩道と河岸公園間がつながった憩いのスペースとします。これにより、官民による都市再生の動きを呼び起こします。
今後、国順里と景星里は「迪化街2段」を発展の主軸とし、「老屋新用計画」で迪化街2 段の空き住宅をリストアップ、台北市が修築費を補助し、一定期間の使用権を買い取ります。そして台北市が「管理・賃貸の代理」をし、住宅の必要な若者に与えます。これで若い家族や青年が高齢化の進んだ地域に入り、人を呼び込むようにします。中継住宅として用いる他、青年起業スペース、地域託児センター、小型図書館、展示スペース、バックパッカーの宿としても使います。
建成円環の再生と発展に各方面からの声を参照
1908 年に建てられた建成円環には、鉄道の淡水線の開通後、大稲埕周辺のおいしい屋台が集まりました。1960 年代が発展のピークで、台北庶民のB 級グルメの聖地となり、さらに精神面での重要な象徴の一つでもありました。その後、1993 年と1999 年に火災が発生、没落してしまいました。この地の美食館の改築計画は続行していますが、地域住民とのコンセンサスには至っておらず、計画の最大限の効果が得られにくい状態です。2007 年、公開選定で台北円環株式会社が経営権を取得、2016年7 月29 日までの契約で、これまでの経営の経験を活かします。円環の発展はまさに重要な転換点にあり、その再生は地域住民の積極的な参加とコミュニケーションが必要なのです。
台北市は今年5 月30 日、建成円環の「公民咖啡館」(市民カフェ)オープンのイベントを実施、地元議員、住民、地域のオピニオンリーダー、コミュニティ・プランナー、専門家、建築家、そして市の関連部門、財団法人台北市都市再開発推進センターなど、円環再生に関心を寄せる方々を招きました。この時は、市民カフェの活用法として、交通やグルメ、都市環境、歴史の流れ、文化ツアーなどさまざまなテーマで多くのアイディアが出され、建成円環の今後の再開発の可能性について話し合い、多くのすばらしい意見が交わされました。今後も市では継続的に市民の意見を募り、大同区を再生していきます。
コミュニティ・プランナー・ワークショップで意思疎通
今年、それぞれの都市再生計画を推進、市では広く意見を集めるため、改めてコミュニティ・プランナー制度を始めました。これはコミュニティ・プランナー・ワークショップ計画によってプランナーが地域に長期滞在するもの。プランナーは大同区の見どころを洗い出し、人々の意見の聞き取り、地域住民とのパートナー関係の確立などをする予定です。また定期的なミーティングで、地域の意識を高め、官民の各部門と話し合いコンセンサスを深め、ニーズに沿った適切な資源の支援を提言していきます。地域活動の継続と深化により、官民のコンセンサスを確立し、大同区発展の将来を確固たるものにしていきます。
「大同再生プロジェクト」では、2 ヶ所のコミュニティ・プランナー・ワークショップを計画、これは蘭州国営住宅横の税務署空き宿舎(昌吉街 61 巷45 号 1 F)とURS44(迪化街1 段 44号 1 F)です。すでに今年7 月に設置されており、コミュニティ・プランナーが地元にいて台北市と連絡をとり、地域再生を進めることが期待されています。
沒有留言:
張貼留言