自分が納めた税金がどう使われているかご存知ですか。政府の毎年の予算の使い方が不透明だと感じていませんか。自分も政府の予算の使い方に参与したいと思ったことはないですか。「情報公開、透明化、全員参加」の精神から、台北市は予算案をグラフ化して予算の分布を誰にでもわかるようにし、今年はさらに「参加型予算」というコンセプトから、市民が公民会館設置推進に参加、市指定の古跡に新たな命を吹き込み、「参加型予算」の初の例を創り出しました。 フライドチキン+タピオカミルクティー 台湾初の「実感予算」
台北市の毎年の予算は1,600 億元余り。「数字」は大きいものの、市民の多くは実感がなく、これらの「予算」の運用もよくわかっていません。どのように市民に「実感」してもらうかが、「全員参加」推進の重要なポイントの一つです。
このため、台北市は民間団体と協力し、もともと「数字」だらけだった予算をすべて「グラフ」に変え、さらに学校給食や魯肉飯、タピオカミルクティーなどを「単位」にして予算を「換算」、額の大きさを理解しやすくしました。さらに書き込み欄や削除、追加などの「ボタン」を設け、台北市の予算に対する見方を市民が伝えられるようにしました。予算ってこんなに面白いものだったのですね。
市民が参加自分の未来は自分で決める
予算のグラフ化の後は、どう「執行」するかが肝心です。市民に参加型予算の提案の流れ、予算編成の全体を知ってもらうため、台北市では各行政区域で説明会やワークショップを実施してきました。今年はさらに内湖の公民会館をこの試みの対象とし、民意を集め、また建築設計士と地域住民との話し合いの場を設けました。そして住民の意見も公民会館のリフォームやイベント企画の際の参考にして、台北市の1 つ目の「参加型予算」の実例としたのです。
予算全体の公開の他、台北市は「資料の公開」にも力を入れています。柯文哲氏が台北市長に着任してから公開された資料集は約356 種、今年の9 月までで台北市が公開した資料集は731 種もの数に上っています。この中では防災関連のものが多く、避難所の地点、水がたまりやすい場所、さらには住宅、自動車、自転車盗難といった3 種の資料もあります。これらの資料の公開でホーソン効果(Hawthorne Effect)(注)を生み、犯罪が減少することが期待されています。
屋外でミーティング民意を聞き取り「民意、価値、プロフェッショナル」これ
らは常に柯文哲台北市長が政策を制定する際の核となる理念です。「市民の望むことが政治の向かう所」であるため、台北市はさらに社子島、大同区の再生、中正区と萬華区の復興、東区といったプロジェクトで、屋外でのミーティングを引き続き計画しています。
興味深いのは、どの屋外ミーティングでも、柯市長自身が出席するのをはじめ、各局処のトップも話し合いのテーブルに就き、市民のさまざまな質問に答える点です。このうち社子島の開発案では、現地住民にインターネット投票「i-Voting」を使い、社子島の住民たちが自ら地域の将来を決定したのです。民意に耳を傾け、人のために働き、効率よく完成させることこそ、台北市が奉仕の文化「奉茶」の精神から政府を開放する第一歩なのです。
注
ホーソン効果とは、観察されている人が、自分が観察されている対象だと知ると、行動を変える反応のこと。
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